クレジットカードを利用する上で加盟店側だけではなく利用者側も気をつけて欲しいのが、カード会社の加盟店規約というものです。
加盟店規約というのはクレジットカードが利用できる店舗で店舗側が守らなければならいルールのようなものです。
加盟店規約というとカードを利用する人には関係ないかと思うかもしれませんが、知らないことで勝手にルール違反の扱いを受けてしまう可能性があります。
そのためカード利用者側も騙されることを防止するためにも知っておいた方が良いことを紹介したいと思います。
この読みものの目次(もくじ)
なぜ、加盟店規約を知っておいたほうが良いのか?
なぜ加盟店規約を知っておいたほうが良いのかと、じつはこういった規約を一部の店舗では違反しているというものがあります。
具体的な例を上げると以下のようなことが規約違反として行われている実態です。
■カードが利用できる時間帯に制限がある
■少額利用のお支払いにはカード払いを利用させない
■特定のカードのみに利用を制限させる
■現金に対してカード払いに手数料を上乗せしてくる
こういったことを行っている店舗やサービスは基本的に加盟店規約を違反していると思っていいでしょう。
残念なことにいままでクレジットカードを利用してきて、何度もこういった場面に遭遇したことがあります。
飲食店などではランチタイムのクレジットカード払いは利用を禁止としていたり、深夜に営業しているような飲食店では手数料の上乗せなどをして請求してくることもあります。
こういったことはおもに一部の小規模の店舗がほとんどなのですが、それでもクレジットカードを利用する側としては不利益なことばかりなの残念です。
各クレジットカード会社の加盟店規約
実際にクレジットカード会社の規約にはどのようなことが書かれているのかというの点も気になると思います。
ただ、規約というと文字だらけの長い文章なので、ほとんどの人が読む気にならないでしょう。
そこで、各クレジットカード各社の規約で重要な部分だけを抜粋して紹介します。
第11条(加盟店の義務、禁止行為など)
加盟店は有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段の利用を求めてはならないものとします。また、加盟店は、会員に対し、現金払いその他の決済手段を利用する顧客と異なる金額を請求したり、カードの取り扱いに本規約に定める以外の制限を設ける等、会員に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。
引用 株式会社ジェーシービー(JCB)
第7条(信用販売の方法)
加盟店は、有効なカードを提示した会員に対して、商品の販売代金ならびにサービス提供代金について手数料を上乗せする等現金客と異なる代金の請求をすること、およびカードの円滑な使用を妨げる何らの制限をも加えないものとします。また正当な理由なくして信用販売を拒絶し、代金の全額または一部(税金、送料等を含む)に対して直接現金支払いを要求する等、会員に対して差別的取り扱いは行わないものとします。
引用 株式会社三井住友カード
総則 c 差別的取り扱いの禁止
加盟店は、直接的か、間接的かを問わず、以下のことを行ってはなりません。
(ⅰ)カード会員んにカードの使用を控えさせようとすること。
(ⅲ)カード会員に対し、その他の支払い手段または他の支払い方法(例えば現金払い)を使用するように説得しようとしたり、促したりすること。
(ⅳ)カードに優先して、その他の支払い手段(加盟店が指定店舗でのみ使用するために発行する加盟店自身のカードを除く。)の使用が促進される行動をすること。
(ⅴ)カードの使用を希望するカード会員に対し、その意向が抑制されるような言動をすること。
(ⅵ)カード会員に、追加料金を請求したり、価格を上乗せしたりすること。
(ⅷ)信用販売について、その他の支払い手段には要求しない何らかの制限または条件を課し、またはカードまたはカード会員を経済的に不利益に取り扱うこと。
引用 アメリカン・エキスプレス・ジャパン 株式会社
第14条(その他遵守事項)
有効なカードを提示等した会員に、正当な理由なく信用販売の拒絶や現金払い要求を行わないこと。
有効なカードを提示等した会員に対して、手数料その他名目の如何を問わず、現金払い顧客と異なる代金を請求するなど、会員に不利となる差別的な取り扱いを行わないこと。
引用 株式会社クレディセゾン
加盟店規約違反の被害にあったら訴えれば勝てるのか?
もし加盟店規約違反の被害にあったらどうすればいいのか?
カード会員側の立場からするとできることはカード会社に通報するということができます。
連絡先については専用デスクはないので、利用したクレジットカード裏面に記載されているサポートデスクにまずは連絡してみるのがいいでしょう。
なお、サポートデスクに連絡した場合一体どうなるのか?
カード会社から加盟店への注意または指導が入り、その加盟店側がカード利用不可になる可能性があります。
ただし、これはカード会社から何度も注意を受けて相当悪質と見なされた場合のみで、一度や二度のペナルティでは変わらないでしょう。
また、規約違反の被害にあったら法的な訴えはできるのか?
・・・残念ながら加盟店規約は法律ではないので民事裁判などを起こしても勝てる確率はほぼゼロに等しいでしょう。
つまり限りなくグレーに近い違反ということになります。
もし手数料を上乗せされて請求されたとしても、支払ったお金が戻ってくる確率はほぼゼロに等しいです・・・。
悲しいですがこれがいまの日本の法規制ということですね。
それでも悪質な加盟店に出会ってしまった場合にはカード会社へ連絡して、ひとつでも悪質な加盟店を減らすようにみなさん声を上げていきましょう。
日本でカード決済を普及させるにはまず法的整備が重要
少し残念なお話になってしまったかもしれませんが、いまの日本の法律では悪質な加盟店がいても、法的に何も罰せられることが無いので悪質な加盟店側の方が有利という状況です。
今後日本でカード払いが普及しても加盟店側の規約違反が黙認されるようでは、利用者側としても積極的にカードを利用したいと思わないでしょう。
もし本格的にクレジットカードによる支払やキャッシュレスを普及させるのであれば、法治国家らしくまずは法律を整備して悪質な業者を排除することが非常に重要だと思います。
これについては各クレジットカード会社ならびに日本クレジットカード協会(JCCA)や一般社団法人日本クレジット協会(JCA)などが、積極的に政府に対して法整備を要求して欲しいと個人的には思います。
以上、クレジットカード豆知識 ~クレジットカードの加盟店規約について知っておこう~の記事でした。
読んで頂きありがとうございました。