クレジットカードについて調べていると、ふと目につくものとしてVISAやMasterCard(マスターカード)といった言葉があると思います。
何となくクレジットカードに関係するものだと分かっていても、いまいち詳しくは分からないという人が多いでしょう。
クレジットカードを選ぶときには何となく「とりあえずVISAでいいや。」と思ってVISAカードばかりを持っている人も中に入ると思います。
しかし、クレジットカードを選ぶときにVISAにするかMasterCard(マスターカード)にするかというのは、非常に重要なことなのでちゃんと選ばないともったいないことになります。
この読みものの目次(もくじ)
VISA、MasterCard(マスターカード)、JCBっていったい何なの?
重要なことと言われてもいまいちよく分からない。
そもそも、VISA、MasterCard(マスターカード)、JCBっていったい何なの?という疑問があると思います。
一言で言うと、VISA、MasterCard(マスターカード)、JCB、American Express(アメリカン・エキスプレス)、Diners Club(ダイナースクラブ)というのはクレジットカードの決済ネットワークの名称になります。
なお、一般的にはこれらVISAやMasterCard(マスターカード)などは『国際ブランド』、『(クレジット)カードブランド』などと呼称されています。
では、これらの国際ブランドの決済ネットワークというのはどんなものなのか?
分かりやすく考えるとしたら携帯電話・スマホを想像してみて下さい。
携帯電話・スマホの大手電気通信事業者にはドコモ、ソフトバンク、auがあります。
これらの通信回線はそれぞれ独自のネットワークを利用しているため、ドコモは電波が届くのにソフトバンクやauは電波が届かないなんて事が起こります。
ほかにも、auに通信障害が発生してもドコモやソフトバンクは利用できるといった現象も起こります。
同じようにクレジットカードの決済もVISAやMasterCard(マスターカード)、JCBなど、それぞれの決済ネットワークシステムが利用される仕組みになっています。
クレジットカードを利用した経験がある人は分かると思いますが、カードで支払いをしようとした時、「MasterCard(マスターカード)とJCBは利用できますがVISAは利用できません」となったことが一度くらいはありませんか?
これは利用しようとした店舗がVISAの加盟店契約を結んでいない場合に起こります。
逆にMasterCard(マスターカード)とJCBの加盟店契約を結んでいるので、これらの国際ブランドの決済が利用できるということです。
この国際ブランドとの加盟店契約というのを行っているのが、「アクワイアラ(Acquirer)」という加盟店開拓事業者です。
この加盟店開拓事業者が「おたくのお店でMasterCard(マスターカード)を利用できるようにしませんか?」、「JCBを利用できるようにしませんか?」という営業活動をして、様々な店舗でカードを利用できるよう加盟店契約をしています。
まぁ、クレジットカードを利用する私たちにはほとんど関係の無いことですが。
ただ、事業を行っている方でクレジットカードを利用できるようにしたいと考えている人は知っておいて欲しいですね。
国際ブランドのクレジットカードブランドにはどんな種類があるのか?
国際ブランドの種類にはいったいどれだけの種類があるのか?ちょっと気になると思います。
国際ブランドと言うだけあるので基本的に世界中で利用できることが前提となります。
人によっては5つだという人もいれば6つだという意見もあると思いますが、ここでは6つのカードブランドを国際ブランドとしてご紹介したいと思います。
VISA(ビザ)
まずは誰もが知っているとも言える国際ブランドの代表格であるVISA(ビザ)です。
VISA(ビザ)の強みはやはりなんと言っても利用できる場所の多さでしょう。
VISA(ビザ)はアメリカ企業のクレジットカードブランドで世界シェアの約50%のシェアを誇っています。
世界中でVISA(ビザ)が一枚あれば大丈夫とは言いませんが、これ一枚でかなりの範囲はカバーできてしまうでしょう。
もし、クレジットカードを1枚だけ選んで持つとしたらカードブランドはVISAにしておく方がいいでしょう。
ちなみに、日本におけるVISAブランドのカードで最も有名なものとして三井住友VISAカードがあります。
・ 三井住友カード (公式サイト)
三井住友カードについてはこちらの記事でも詳しく紹介していますので合わせて読んでみてください。
MasterCard(マスターカード)
MasterCard(マスターカード)はVISA(ビザ)に次ぐシェアを誇る国際ブランドで、VISA(ビザ)と同じくアメリカの企業です。
ちなみにMasterCard(マスターカード)の世界シェアは約25%と、VISA(ビザ)に比べると低く見えるかもしれませんが、それでもこれだけのシェアを誇るというのは凄いことです。
ちなみに昔はMasterCard(マスターカード)は欧州(ヨーロッパ)方面で強いと言われていましたが、最近ではVISA(ビザ)を含めた各カードブランドが利用できるようになっているので、その差はほとんど感じません。
ただ、MasterCard(マスターカード)がいまでも欧州で使い勝手がいいというのも事実です。
JCB(ジェーシービー)
JCB(ジェーシービー)は国際ブランドの中でも日本の企業のクレジットカードブランドです。
アメリカの企業が多いなかJCB(ジェーシービー)が日本の企業で、国際的なクレジットカードブランドであることを知っている人は少ないのではないでしょうか。
・ JCB(ジェーシービー)カード (公式サイト)
もともとJCB(ジェーシービー)という名前の由来は前身の会社である日本クレジットビューロー(Japan Credit Bureau)の頭文字からきています。
当初は国内ブランドのクレジットカードとして誕生しましたが、1981年頃から海外展開を進めて国際ブランドへの地位を高めてきました。
このへんの歴史を詳しく知りたいという方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
JCB(ジェーシービー)の強みとしては日本国内での利用に強いということです。
国内ではクレジットカードが利用できないような昔から老舗のお店や個人店舗でも、VISA(ビザ)やMasterCard(マスターカード)は利用できなくても、JCB(ジェーシービー)なら利用できる店舗などもあります。
また、JCBは自社ブランドのクレジットカードの発行もしているのが大きな特徴です。
VISA(ビザ)やMasterCard(マスターカード)は決済ネットワークやシステムの提供のみ行っていますが、JCBカードは自社発行の独自のクレジットカードも発行しています。
JCB(ジェーシービー)が自社発行しているクレジットカードについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので合わせて読んでみて下さい。
American Express(アメリカン・エキスプレス)
American Express(アメリカン・エキスプレス)といえば騎士(ナイト)の絵が描かれたクレジットカードとして有名なカードブランドです。
またAmerican Express(アメリカン・エキスプレス)の呼称は、通称アメックスと省略されて呼ばれています。
・ アメリカン・エキスプレス・カード (公式サイト)
American Express(アメリカン・エキスプレス)は、クレジットカードの発行だけかと思っている人もいるかもしれませんが、意外にも独自の決済ネットワークを持った国際ブランドのひとつです。
カードブランドの世界シェアとしては2.5%と少なく感じると思いますが、アメリカン・エキスプレスの場合、決済の利便性を求めるというよりもカードそのものの特典やステータスを重視しているところがあります。
とくにAmerican Express(アメリカン・エキスプレス)の強みは旅行に関するサービスが充実しているところです。
空港で利用できる割引などの特典や、旅行の補償・保険、海外でのサポートなど、通常のクレジットカードであればゴールドカードなどでなければ受けられないサービスも、American Express(アメリカン・エキスプレス)は基本機能として備わっています。
また、American Express(アメリカン・エキスプレス)というと、クレジットカードを取得する敷居が高いブランドに思えるかもしれませんが、一般的なサラリーマンの方でも取得可能ですよ。
また、意外に思うかもしれませんがアメリカン・エキスプレスはアメリカの会社でありながら、日本での歴史は1917年(大正六年)からというとても古い歴史があります。
このへんの歴史について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく紹介しています。
アメリカン・エキスプレス・カードについてはこちらの記事でも詳しく紹介していますので合わせて読んでみて下さい。
Diners Club(ダイナースクラブ)
Diners Club(ダイナースクラブ)も国際ブランドのひとつで、アメリカ企業カードブランドですが、これはあまり馴染みのないカードブランドかもしれません。
その理由としては、これらの国際ブランドのカードで最も敷居の高いクレジットカードだということです。
Diners Club(ダイナースクラブ)は自社発行の独自のクレジットカードが主となっている非常に珍しいカードブランドです。
また、自社発行のクレジットカードには利用限度額の上限が設けられていないので、カード利用者の収入などによって一人ひとり異なります。
また、Diners Clubの凄いところは、クレジットカードで車や家なども購入出来てしまうという、通常であれば到底考えられないようなことができるカードブランドです。
こういった背景もありカードを所有できる職業としては、医者や弁護士などの特殊な職業や、一般企業でも役職を持っている立場の人が多いです。
一般的なカードのゴールドカードよりも敷居が高いカードブランドです。
もし縁がある方はこのカードを所有すればステータス性はカードブランドが表してくれるでしょう。
銀聯(ぎんれん) Union Pay(ユニオンペイ)
銀聯(ぎんれん)というのは中国生まれのクレジットカードブランドですが、いまや国際ブランドの一員となった感の強いブランドの一つです。
銀聯(ぎんれん)という言葉は英語圏では通用しないので、世界的にはUnion Pay(ユニオンペイ)という名前で知られています。
日本ではあまり馴染みが薄いかもしれませんが、中国では圧倒的な普及率を誇るカードブランドで、いまや日本やアメリカなどでも利用できる立派な国際ブランドです。
日本で言うところのJCB(ジェーシービー)のような存在に近いですが、世界シェアで言えばJCB(ジェーシービー)が約1%に対して、銀聯(ぎんれん)は約20%という圧倒的なシェア数を誇っています。
もともと中国がキャッシュレス決済が普及しているという背景もありますが、それでも銀聯(ぎんれん)が2002年に誕生したばかりということも考えると、これだけのシェアを誇っているというのは驚異的です。
もし中国へ仕事や出張などで行く機会がある人はVISA(ビザ)よりも銀聯(ぎんれん)を持っていた方がいいでしょう。
国際ブランドは種類を分けて持つのがベスト!
VISA(ビザ)やMasterCard(マスターカード)といった国際ブランドのカードは、同じものを複数枚持つよりも、異なるカードブランドごとに所有する方がいいでしょう。
クレジットカードブランドごとの世界シェアで言えば以下のように圧倒的にVISA(ビザ)が強いですが、それでもVISA(ビザ)ブランドだけを持っている事にはリスクもあります。
クレジットカードブランド | 世界シェア |
VISA | 50.0% |
MasterCard | 25.6% |
銀聯 | 19.8% |
アメリカン・エキスプレス | 2.5% |
JCB | 1.1% |
ダイナースクラブ | 0.8% |
※参考元「The Nilson Report(ザ・ニルソン・レポート)2017」
(上記のシェアはPurchase Transaction(購入取引高)によるものなので、カードの発行枚数や会員数による世界シェアではありません。)
そのリスクというのは海外などへ行った際に、VISA(ビザ)しか持っていなかった場合、VISA(ビザ)の加盟店でしかカードが利用できません。
また、VISA(ビザ)の決済ネットワークに不具合が発生した場合、ほかのカードブランドが無ければカードが利用できなくなる可能性もあります。
つまり、国際ブランドというのは1種類だけではなく2,3種類持っている方が、複数の決済ネットワークを利用できるため利便性が高いということです。
いままで何となくVISA(ビザ)やMasterCard(マスターカード)を選んでいたという方は、自分の手持ちのクレジットカードブランドの組み合わせをよく確認してカードの申し込みをしてみて下さい。
以上、【クレジットカード豆知識】 ~VISA?JCB??MasterCard(マスターカード)???いったい何のこと?おまけにAmerican Express(アメリカン・エキスプレス)と・・・一体何が違うのか分からない!?という人にやさしく解説します。~の記事でした。
読んで頂きありがとうございました。
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